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番外編 モテ男の受難

お腹をぽこぽこと元気に蹴る陽葵に話し掛けていたらすっかり目が覚めてしまい、寝るにも寝れずにいたら、すっと襖が開いて彼が足音を忍ばせそぉーと入ってきた。 「まだ寝なかったのか?」 「うん」 「どうした?もしかして見惚れているのか?」 「そんなこと……」 ない。そう言い切ることが出来なかった。何故なら浴衣姿だったから。 ちらちらと見える筋肉質の腕が逞しくて。胸板も厚くて、より一層男らしさを引き立たせていた。あまりの格好良さに胸がキュンとなった。 彼の浴衣姿久し振りに見るかも。 ドキドキしてまともに見ることが出来なかった。 「たく、相変わらず恥ずかしがりやなんだから未知は」 「だって……恥ずかしいものは恥ずかしいんだからしょうがないでしょう」 ムスッとして言い返すと、愉快そうにくくっと笑いながら傍らに腰をおろしてきた。 「なかなか二人きりになれなくてごめんな」 もうそれ反則だから。 先に謝られたら何を言っていいか分からなくなるのに。 「まぁ、そうつんつんするな」 髪を優しく撫でられ肩をそっと静かに抱き寄せられた。 「朝から色々あったから疲れただろう」 「僕は何もしていないよ。遥琉さんの方こそお疲れ様」 「おぅ、ありがとうな」 にっこりと笑うと目尻が下がった。

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