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番外編 モテ男の受難

はぁ~、深くため息をつくと度会さん達の隣に腰を下ろした。 「あらあら、紗智さんとまた喧嘩したの?仲が良いわね。羨ましいわ」 紫さんがオホホと上品に笑いながら急須のお茶を湯呑み茶碗に注いだ。 「喧嘩したのは昨日です。今日はまだ喧嘩していません」 手を繋ぎ一緒に歩きたい紗智さん。 でも鞠家さんは舎弟たちに冷やかされるのが恥ずかしいのか、なかなか繋ごうとしなくて。それで紗智さんが怒ってしまい、一時間くらい目も合わせず、全く会話をしなかった。 「ディノンさん、さっちゃんにごめんなさいしよう」 「ハルちゃんもいっしょに、ごめんねするから」 喧嘩の仲裁役は一太と遥香。誰かに頼まれた訳ではない。 いつの間にか奏音くんも混ざるようになった。 「一太くんたちに毎回迷惑を掛けているので今日は紗智と喧嘩をしないように朝のうちに手を繋いで庭を散歩してきました。ハグも挨拶代わりのキスも沢山したので、紗智も機嫌良く……」 「おぃおぃ、頼むからのろけ話しはそのくらいにしてくれ。お前さんと紗智、それにフーと鳥飼が朝っぱらから庭でいちゃついていて、若い衆が目のやり場に困っていたんだぞ」 「すみません」 鞠家さんが顔を赤らめ慌てて頭を下げた。 「前も一度言ったと思うけど、いちゃつくのは構わない。でもね、子どもたちがどこで見ている分からないのよ。一太くんとハルちゃんは見慣れているから多少のことでは動じないけど、問題は奏音くん。言わなくても分かるわよね?そんなに紗智さんとしたいならいいわよ。いつでもラブホ……」 「む、む、紫さん‼」 鞠家さんの顔がさらに真っ赤になった。

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