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番外編 モテ男の受難
そのまま舌に舌を絡められ、柔らかく吸われると、ますます身体が熱くなる。頭がぼうっとして、彼以外のことをなにも考えられなくなる。
やがて、クチュッと濡れた音を立てて唇が離れ、潤んだ瞳で見上げると、男らしい色香に溢れた彼が見つめ返してくれた。
目が合った瞬間、ぞくりと背が震えた。
息を飲むと、ふっと目を細められ髪を撫で上げられた。
「大丈夫か?」
「うん。遥琉さんのキス、すごく甘くて…」
「気持ち良かった?甘いのはきっと奏音からもらったドロップスの飴のせいだろう。媚薬じゃねぇから安心しろ」
にこっと微笑むと、
「もう一回、キスしたい。さっきよりももっと濃いヤツ」
「もう遥琉さんたら」
「だって陽葵が産まれたら、それどころじゃないだろう?今のうちにいっぱいしておかないと」
真面目な顔で何を言い出すと思ったら。
顔から火が出るくらい恥ずかしかった。
「ん?」
彼が何かに気付き下を見た。
「たいくん、なんでいるんだ?ここちゃんまで。ままたんとぱぱたんとお兄ちゃん達とお利口さんにしてねんねしていたんじゃ……」
「パ~~パ!」
「ぱ~ぱ」
にまっと笑うと、彼のズボンに掴まり、よいしょとたっちし、ふたりして抱っこをねだった。
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