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番外編 伝説のヤクザ、奏音くんと初対面

まずはパパに挨拶してからだ。じゃあ、また後でな。お祖父ちゃんが一太と遥香の頭を撫でてくれた。 奏音くんの頭も撫でようとしたら、紗智さんの背中にささっと隠れてしまった。 「卯月より顔は怖くないと思うんだが……」 「そうだよ」 「マーのお爺ちゃんだよ」 紗智さんと那和さんがフォローしてくれたけど、奏音くんはぶんぶんと首を横に振り、頑なに顔を見せようとはしなかった。 「お帰り、播本」 彼のところに向かおうとしたら、総一郎さんと和江さん、それに度会さんと紫さんに掴まった。 「オヤジに挨拶がまだだ」 「挨拶なんてあとでいいんだよ」 「だって具合が悪いんだろう?」 「ただのぎっくり腰だ。たいしたことない」 あれよこれよという間にお祖父ちゃんを客間に連れていってしまった。 「本部長、播本さんの荷物どこに下ろしますか?」 若い衆に声を掛けられた柚原さん。 「本部長?」 不思議そうに首を傾げたのち、 「あぁ、そうだった。俺のことだ。悪いな本部長って呼ばれるのにまだ慣れていないんだ。いっそのことぱぱたん部長にしてもらおうかな?その方がしっくりいくし、分かりやすい」 「ぱぱたん……部長……ですか?マジで言ってます?」 「あぁ、こう見えても大真面目だ」 若い衆もどう返していいものか戸惑っていた。笑ってはいたけども表情は引きつっていた。

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