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番外編 伝説のヤクザ、奏音くんと初対面

橘さんたちがなかなか戻ってこなくて。地竜さんをお祖父ちゃんに頼み、様子を見に行った。 太惺と心望が彼の背中によじ登り、ふたりとも両手を叩き大はしゃぎしていた。 「ぱぱたん、お馬さんぱっかぱっかしてくれるって。ままたん、おやつだって……いたっ~!」 苦悶の表情を浮かべ布団に突っ伏した。 すると今度はシャツを捲り、その中に手を入れ、ペタペタとあちこち触りはじめた。 「ふたりともなんでそんなに手が冷たいんだ。橘、笑って見ていないで助けてくれ」 「ふたりともパパが大好きなんですよ。こればかりはどうしようも出来ません」 「そんな……」 頼みの綱の橘さんに見捨てられガックリと肩を落とす彼。 「たいくん、ここちゃん、パパね腰がいたい、いたいなんだよ。治ったら遊んでもらおうね」 鼻を手で摘まみながらそろりそろりと近付いた。でもやっぱり湿布の匂いに気持ち悪くなってしまい、手で口を押さえながらその場にへたり込んだ。 「未知さん」 すぐに橘さんと、廊下に控えていたウーさんが駆けつけてくれた。 「助けに行けなくて…すまん…夫として不甲斐ない」 謝らないで。僕は大丈夫だから。 彼やみんなにこれ以上余計な心配を掛けないようになるべく明るく振る舞った。

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