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番外編 命の重み
翌朝。
地竜さんはウーさんを伴い、朝御飯を買いに病院の目の前にあるコンビニエンスストアに出掛けた。
『駅前でイベントがあるみたいで、茨木さんと度会さんが子どもたちを連れていくことになった。紗智と那和も一緒だから安心しろ』
「うん。太惺と心望は?」
『起きたら橘と柚原がいなくて。泣きながらふたりの姿をあちこち探しまわっていた。紫さんと惣一郎さんと和江さんがなんとか宥めて、やっと朝御飯を食べたところだ』
「そうだったんだ」
脇目も振らず必死でままたんとぱぱたんを探すふたりの姿が目に浮かんだ。
「太惺と心望は、ママとパパよりも、ままたんっ子、ぱぱたんっ子だから。遥琉さん、奏音くんと取り合いになってない?」
『それは大丈夫だ』
「なら良かった」
『そういえば昨日の夜、充電がないからあとで電話するって、みんなにメールしたか?』
「うん。メールしたよ。駄目だった?」
『駄目って訳じゃねぇけど朝から電話が鳴りっぱなしだ。先に言っとくけど俺は誰にも未知が入院したって言ってないからな』
「うん、分かってる」
千里さんは僕のことはなんでもお見通しだ。
橘さんと何気ない会話をしてて、気付いたのかも知れない。
電話を切ろうとしたら、パンパンと乾いた音が聞こえてきた。
はじめ空耳かとも思ったけど、
「遥琉さんどうしよう。いま、銃声が……地竜さんとウーさん、道路の向かい側にあるコンビニエンスストアに買い物に行ってるの。大丈夫かな?」
寒くもないのにガタガタと身体が震えだした。
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