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番外編命の重み
「アネサン」
フーさんが血相を変えて病室に駆け込んできた。
「フーさん、さっきの銃声だよね?地竜さんとウーさんは?無事なの?」
思わずベットから身を乗り出した。
お互い言葉が通じないのがこんなにももどかしいなんて。
大丈夫、心配ない。とでも言ってるのかな?フーさんはニコニコと笑っていた。
「鳥《ニィァォ》、橘《ジュ》」
「鳥飼さんと、 もう一人ここに来るの?ジュって誰だろう」
首を傾げていると、
「弾を素手で受け止めるなんて正気の沙汰じゃない」
永原先生がつかつかと病室に入ってきた。
「あの、先生」
「走行していた車からコンビニエンスストアに銃弾が撃ち込まれたみたいだよ。卯月さんの知り合いの周《ヂョウ》思齐《スーチー》先生、生死の境を何度もくぐり抜けてきただけはある。まさに医者の鑑だ」
逃げ惑う買い物客を安全な場所に誘導し、命を省みず矢面に自ら立ったと、永原先生が興奮しながら教えてくれた。
「こんなのかすり傷だ。たいしたことない」
左手に包帯をぐるぐると巻いた地竜さんが戻ってきたのはそれから30分くらい過ぎてからだった。
鳥飼さんと、橘さんが一緒だった。
「ジュって、橘さんのことだったんだ」
ウーさんも右手首に怪我を負っていた。
触れようとしたら、
「アリガト、マー」
耳まで真っ赤になって照れてしまった。
ウーさん、なんか可愛いかも。
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