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番外編 命の重み

「みんなまって」 「けんかはめだよ」 姿を現したのはパジャマ姿の晴くんと未来くんだった。お揃いの枕を大事そうに両手で抱えていた。 「急を要することだったから、ちゃんと説明しかった俺が悪かった」 「どういうことだ」 信孝さんがふたりの背後からぬっと姿を現した地竜さんに鋭い視線を送った。 「今朝、コンビニエンスストアに発砲した犯人たちが早口で意味不明なことを喚き散らしていたんだ。橘に怒られているとき、何を言ってるかやっと分かったんだ。シェイ シィェン。シェイは誰、シィェンは縣だ。だから、ふたりに命に代えても信孝親子を守れって命じたんだ」 「そうだったんだ。悪かった」 「信孝がふたりを連れていったあと、家に銃を持った男たちが押し入った。さすがは、縣一家の次男坊の嫁さんだ。ナオは、先に枕を投げ、子どもたちを抱き抱え、2階から庭に飛び降りた。そこに俺とフーが駆け付けたという訳だ。間に合って良かった」 地竜さんの説明に、信孝さんの顔から血の気が引いていった。 「ナオパパは?一緒じゃないのか?」 晴くんと未来くんをしっかり抱き寄せた信孝さん。その声は動揺し震えていた。

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