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番外編 命の重み
「ナオパパばっかずるい~~みくもだっこ」
未来くんが下唇をこれでもかと伸ばし、ぴょんぴょんと跳び跳ねた。
すると、フーさんが片膝を立ててふたりの前にしゃがみこむと、右腕で晴くんを、左腕で未来くんをそれぞれ抱っこするとゆっくりと立ち上がった。
「わぁ~~すごい!」
「パパたちよりもたかいよ!」
これにはふたりとも大興奮。
「子どもはとっくに寝ている時間なのに。逆に起こしてどうするんですか」
これには橘さんも呆れていたけど、
「寝かし付けのプロがいるんだ。それにほら」
彼が廊下をちらっと見ると、一太と遥香が心配そうに戸の陰からそぉーと中の様子を覗き込んでいた。
「もう仕方がないですね。柚原さん、フーさんこども部屋に移動しますよ。一太くんにハルちゃんもです」
怒るにも怒られず、苦笑いを浮かべながら子どもたちを連れて行ってくれた。
「晴くんに未来くん、明日パパたちは病院なのでお利口さんしてお留守番出来ますか?」
「はぁ~~い。はれ、あかちゃんのおせわのおてつだいする」
「みくも」
「ふたりともありがとう」
「あとね、あとね、あした、いちたおにいちゃんと、ハルちゃんとあそべる?」
「えぇ」
「やった!」
ふたりともガッツポーズをしていた。
「明日も夏日の予報だ。ビニールプールで水遊びして、それから流し素麺でもするか?」
柚原さんの言葉に子どもたちは目をキラキラと輝かせていた。楽しみすぎてますます寝れなくなるような……気のせいかな?
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