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番外編 命の重み
「子どもたちみんな寝たぞ」
彼が布団の中にごそごそと潜り込んできた。
「5分間隔で陣痛が来るようになったら病院に連絡すればいいんだろう?」
「うん。でもまだ、お腹の痛みだけだから。腰まで響くような強い痛みになってないから」
「そうか。痛いなら遠慮せずに言えよ。背中を擦るくらいしか出来ないけど。あと、起きたら足をマッサージしてやる」
「ありがとう遥琉さん」
ぎっくり腰がだいぶ良くなったみたいで良かった。
「あ、でも治りかけが一番危ないんだから、無理しないでね」
「あぁ、分かってる」
彼の大きくて温かな手がお腹を優しく擦ってくれた。
「ナオさん大丈夫かな?」
天井を見上げながらぽつんと呟くと、なぜか彼にクスクスと笑われてしまった。
「ナオが、信孝に未知大丈夫かな?そればかり聞いていたんだ。陣痛の痛みに比べたらこんなの痛いうちに入らないって。未知とナオを見ているとママ友というより実の兄弟みたいで、ちょっと妬けるかも」
「え?なんで」
「なんでって俺が聞きたいよ」
困ったように微苦笑すると肩をそっと抱き寄せてくれた。
「未知が姐として生きていくと覚悟を決めたように紗智もナオも幹部の女房として生きていくと覚悟を決めた。ふたりはまだ若葉マークだ。未知、ふたりに色々と教えてやってくれ」
「僕だって若葉マークだよ。右も左も分からないことだらけだよ。紫さんや橘さんや渡会さんたち、組のみんなが優しくしてくれるから、だからなんとか今までやって来たんだよ」
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