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番外編 命の重み

「一太、随分と早起きじゃねぇか」 「うん、トイレにおきたらね、じぃじとそういちろうさんを見付けたんだ。ねむいのどこかにいっちゃった」 「そうか」 「うん」 庭で一心不乱に竹刀を振るお祖父ちゃんと惣一郎さんを目をキラキラと輝かせて見つめる一太。 「ねぎしさんもはやおきだね」 「あぁ。ちょいと野暮用があって出掛ける前にママの顔を見ておきたかったんだ」 「ねぎしさん、ママだいすきだもんね」 「一番は伊澤だかな。ママはおじちゃんにとって娘みたいなもんだ。亜優も大事な息子だ」 「じゃあ、じゃあ、いちたは?」 「目に入れても痛くないくらいめんごい孫だ。決まってるだろう。いいか、孫だぞ。曾孫じゃねぇぞ」 「うん、わかった」 一太が大きな声で返事をした。 「たく、まだ言ってる」 竹刀を振るのを一旦止め、首に巻いていたタオルで額の汗を拭うお祖父ちゃん。 「これから行くのか?」 「あぁ。姐さんのことが心配で一睡も出来なかったんだ。俺も年を取ったもんだ」 「なに言ってんだ」 お祖父ちゃんがゲラゲラと豪快に笑い出した。 「まだまだこれからだろう」 「茨木さんの言う通りだ。にしゃ、儂よりも20才も年下の癖になに言ってんだ」 惣一郎さんも手を止め、お祖父ちゃんと一緒に笑い出した。

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