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番外編 みんなが待ち望んだ新しい命
「お静かに!」
南先生の声は相変わらず遠くまでよく通る。
翌日の早朝、今までにない張りの強さと間隔の短さで目が覚めた。
彼や地竜さんに手伝ってもらい、なんとか着替えを済ませ、どんどんお腹が痛くなって間隔も短くなっていくような感じがして、病院に連絡をしたのち彼と地竜さんに付き添ってもらい急いで病院に向かった。
そして到着後一時間も掛からず、予定日より18日も早く、あっという間に陽葵が産まれた。
あれほど酷かった足の浮腫もいつの間にかなくなっていた。
「ママのお腹の中にずっといたかったんでしょうけど、なんせ兄弟が8人もいるんです。早く会いたくなったんだと思いますよ。それに子どもたちの笑顔が根岸さんを元気にさせる、その事が分かっているのかも知れませんね」
橘さんが子どもたちを連れてお見舞いに来てくれたのは午後だった。
太惺と心望は、午前中のうちに来てくれたお祖父ちゃんと惣一郎さんたちがみてくれているみたいだから安心だ。
「ママ、かぁいい!」
妹と対面した遥香が歓声を上げた。
一太は、
「おかおがまっかでおさるさんみたい」
見たまんまの感想を言うと、
「おさるさんじゃない。ひまちゃんだよ!」
早速遥香に怒られていた。
奏音くんも晴くんも未来くんもおっかなびっくりだけど、陽葵の小さなお手手を撫でてくれた。
回りがこれだけ賑やかなのにも関わらず陽葵はすやすやとねんねし、全く起きる気配はなかった。
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