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番外編 みんなが待ち望んだ新しい命の誕生
陽葵をなんとか寝かし付け、すっかり冷めてしまった夕御飯を食べようと箸を持ち上げたとき、コンコンと遠慮がちにドアをノックする音が聞こえてきた。
「どうぞ」
陽葵を起こさないように小声で返した。
「み~~ち~~」
そぉーと静かに。足音を忍ばせて入ってきたのは、
「え?なんで?なんで?」
まさか来てくれるとは思っても見なかったから驚いた。
「心さん、光希さん」
「俺もいるよ」
ふたりに遅れて七海さんがひょっこりと姿を現した。
「ご飯まだだったんだ。ごめんね」
「それはいいんだけど、なんでここに?」
「話せば長くなるんだけど、颯人さんから、親父が家出したって電話が来たの。厄介になった。達者でなって。それだけ書いたメモ紙がカウンターに置いてあったんだって。それであちこち手分けして探したら遥琉のところにいるって分かって。未知が赤ちゃんが産まれそうだから、福島に移住したんだ。戻る気はない。連絡したらそう言われたんだ。予定日より早く産まれるなんて一切聞いてなかったから」
「俺もだ。びっくりして、ダメもとで遼成さんに福島に行かせて欲しいって頼んだんだ」
「彼もそうだけど、2人のだんな様もかなりの焼きもち妬きだから、大変だったんだ」
七海さんがすやすやと眠る陽葵の寝顔をそぉーと覗きこんだ。
「千里がね、アタシの代わりに妹に会ってきてほしい、姪に会ってきてほしいって、裕貴さんと遼成さん、それに鷲崎さんに頼んでくれて、渋々ながらもOKしてくれたんだ。ひまちゃん、はじめまして。手が小さくてかわいい!」
心さんが歓声を上げた。
「発砲事件があったばかりだから、無理もないよ」
「うん。だから、最強の弾よけを遼成さん寄越したんだよ」
心さんがチラッとドアの方に視線を向けた。
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