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番外編 みんなが待ち望んだ新しい命の誕生

最強の弾よけ? 誰のことだろう。 思い当たるひとがすぐに浮かばなくて首を傾げた。 「ご飯食べたら?」 「うん、心さんたちは?」 「新幹線の中で食べてきたから大丈夫。ありがとう未知」 心さんの側にいるはずの優真くんがいなくて、きょろきょろと辺りを見回した。 「僕も行きたいってギャン泣きされたんだけど、状況が状況だけに連れてくる訳にもいかないでしょう。だから、裕貴さんに頼んできた」 「そうなんだ。あのね心さん、最強の弾よけって……?」 「それがね、遥琉と地竜と話しが弾んでいて、しばらく来れないかも」 「久し振りに会えたんだからしょうがない」 そのとき、ふぇ~~ん、ふぇ~ん。 陽葵が急に泣き出した。 「眠りが浅いんだ。おっぱいが足りないのかも」 箸を置いてベットから起き上がろうとしたら、 「いいよ、僕たちが面倒みるから、ご飯食べて。入院しているときしかゆっくり出来ないよ」 心さんがキャスター付きの新生児ベットからそぉーと静かに陽葵を抱き上げてくれた。 「先生もびっくりのスピード出産だったんでしょう?」 「うん。病院に付いたらすぐに産まれたんだ。痛みさえ感じる間もなく。本当にあっという間で驚いた。でも、このお腹にはもういない……そう思ったらちょっとだけ寂しいんだけど……」 「2、3年したらまた赤ちゃんが欲しくなるよ。ひまちゃんに妹が欲しいっておねだりされるんじゃないかな?」 「9人もいるんだよ。これ以上は……」 頬を染めながら横に振った。

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