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番外編 みんなが待ち望んだ新しい命の誕生

「楮山組にバレるから静かに移動しようと思ったんだが。そりゃあもう賑やかで、他の乗客に白い目で見られたんだ」 そこで龍成さんが言葉を止めるとはぁーとため息をついた。 「しょうがないですよ。近所とはいえ、お互い夫に気を遣って気軽にも遊びにも行けないんですよ。それに七海さんと会うのも久し振りですしね。はしゃぎたくなる気持ちもわからない訳ではありません。どうぞ」 橘さんが龍成さんに缶コーヒを渡した。 「お、悪いな」 「昇龍会は千里と、直参の組の姐さん同士が仲がいいからこそ、いざというときに一致団結出来るんです。それが他の組にはない強みです」 「遼成も裕貴も同じことを言っていた。未知、ありがとうな」 「いいえ、僕は何も」 首を横に振った。 「未知がいたからこそ、みんな、こうして仲が良くなったんだろう?光希も未知に感謝していた」 缶コーヒーを開けるとぐいっと一口飲んだ。 ちいと込み入った話しがあるからと、心さんと光希さんに頼み一旦退室してもらった。 「七海、ほら」 陽葵を抱っこしあやしてくれていた七海さん。 「ベットに寝せると起きるんだ」 「なら私が抱っこします」 「ままたんなら安心だね」 ずっと知りたかった弓削さんの話だ。きっと。 橘さんの腕のなかに陽葵をそぉーと寝せると隣に椅子ごと移動してきた。

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