1473 / 3282

番外編 みんなが待ち望んだ新しい命の誕生

翌日ーー 根岸さん大丈夫かな?一人言で言ったつもりだけど、彼の耳にはしっかりと届いていた。 「明るく振る舞わねぇと、回りに心配を掛けるからな。空元気かやけっぱちのどちらかだろうが、根岸には伊澤と亜優がいるから大丈夫だ」 彼が大きなあくびをして、椅子にゆっくりと腰をおろした。 「遥琉さんこそ寝ていないじゃぁ…大丈夫?」 「実をいうとな、あれから大変だったんだ。龍成と光希をよほど二人きりにさせたくないんだろな。遼成まで来やがった。些細なことでイラつき舎弟たちを怒鳴り散らしていた遼成に、裕貴が、そんなにイライラして当たり散らしているならお前も福島に行け。未知に会ってこいって背中を押したらしい」 「じゃあ、賑やかだったね」 「あぁ。みんなして泊まったから、朝まで賑やかだったぞ。お陰で寝不足だ。惣一郎さんと和江さん、二本松に一旦帰るって。また、週末陽葵の顔を見に来るって話していた。未知こそ寝ていないんじゃないか?陽葵が寝ているときくらい横になってろ。ほら、手を貸してやるからさっさと寝ろ」 「ありがとう遥琉さん」 ベットに横になると、布団を肩まで掛けてくれた。 「そういえば地竜さんは?」 「俺の代わりにパパ代行に勤しんでいる。朝は子どもたちとバトミントンをしたり、サッカーしたりして遊んでくれて、大型遊具がある屋内の遊び場に子どもたちを連れていく話しをしていた」 「そうなんだ」 「張り切りすぎておそらく明日は全身筋肉痛で起き上がれないだろう。どっちが子どもか分からないな」 彼が目を細め陽葵の寝顔をそぉーと覗き込んだ。昨日ギャン泣きされたからな。そんなことをぼやきながら。

ともだちにシェアしよう!