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番外編 みんなが待ち望んだ新しい命の誕生
「入れ替わり立ち替わり忙しいわね」
「お騒がせしてすみません」
様子を見に来てくれた南先生がぷぷと吹き出した。
「卯月さん、抱っこする時はちゃんと赤ちゃんの顔を見てあげて。赤ちゃんは泣くのが仕事なんだから。ほら、ちゃんと頭を支えて……」
そういえば太惺と心望が産まれたときも、がちがちに緊張して、南先生に苦笑いされていたっけ。
あの時と同じ光景が広がっていて、僕まで吹き出しそうになった。
ウギャ~ウギャ~
「未知、どうしよう」
急に泣き出した陽葵におろおろする彼。
「あれ?なんか冷たいような……さっきちゃんと交換したぞ」
「もしかしたらテープを止めるところがずれているのかも」
「マジか」
泣く子も黙る菱沼組の組長さんも赤ちゃんの前では形無しね。南先生も笑うしかなかった。
「たく、何しているんですか」
橘さんが颯爽と姿を現した。
「たいくんとここちゃんがお昼寝している間しか私は病院に来れないんですよ。もう少ししっかりしてもらわないと」
彼が陽葵をベットに寝かせると、橘さんが慣れた手付きでオムツを交換し、濡れた短肌着もさっと交換してくれた。
そして横に抱っこするとものの30秒でピタリと泣き止んだ。
これには南先生も、
「弁護士を辞めていっそのことベビーシッターに転職したら?保育補助もいいかも」
苦笑いしながらそんはことを話していた。
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