｢あれ？なんで？｣ ドアが静かに開いて心さんと遥香が手を繋ぎ仲良く入ってきたからビックリした。 ｢ハルちゃんね、ひまちゃんのおせわしたいんだもの｣ ｢男同士の遊びには付き合っていられないんだって｣ ｢まぁ、荒っぽいからな｣ ｢女の子ハルちゃんだけだもの。つまらないよ｣ 遥香が背負っていた小さなリュックを心さんが肩から下ろしてくれた。 2階から花壇に飛び降りたとき、捻挫したくらいでたいしたことはないとは思っていたナオさん。検査の結果、踵の骨を骨折している疑いが出てきて休日担当医からH総合病院を紹介してもらい詳しい検査をするため入院になってしまった。 かわいい甥っ子ふたりの面倒をみる気満々でいた遼成さんと龍成だったけど、晴くんと未来くんは、ふたりが怖いのかなかなか近付こうとせず遠くからじぃーと観察し、様子を伺っているみたいだった。 ｢東京と福島で離れて暮らしているんだ。久し振りにおじちゃん達に会ったから晴も未来も緊張しているんだろうよ。そのうち慣れるよ。てか、心お前いつまでいるつもりだ。さっさと帰れ｣ ｢は？かわいい弟に言う台詞？｣ ｢誰がかわいい弟だ｣ 仲良く兄弟喧嘩がはじまった。といっても彼も心さんも嬉しそうだった。 そうだよね、ふたりも離れ離れに暮らしているんだもの。 陽葵が産まれて、こうしてみんな久し振りに会うことが出来た。陽葵のお陰だね。ありがとう。