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番外編 みんなが待ち望んだ新しい命の誕生

ただならぬ雰囲気に陽葵がぱっちりと目を覚まし、ウギャー、ウギャーと火がついたように泣き出した。 彼だったら陽葵を抱っこしたまま右往左往して、どうしていいか分からず橘さんに助けを求めるけど、遼成さんは違った。 「遥琉よりは怖くないぞ。ほら、来い」 頭を手で支えながら、慣れた手付きで抱き上げてくれた。 陽葵をあやしているうちに、遼成さんの表情もまた柔らかくなっていった。 「根岸と橘夫婦に、奏音を縣家で引き取りたいと伝えた」 「え?」 はじめ自分の耳を疑った。何かの聞き間違いじゃないかって。 「龍成は無類の子ども好きだ。というか、図体はでかいが中身は7歳児のガキだ。どっかの誰かさんと同じで、甘えん坊のかまってちゃんだ。光希に甘えてばかりいる。奏音を引き取れば、少しは大人になると思うんだ。未知、オムツとお尻ふき」 「じゃあ、僕が交換します」 手を差し出すと、 「いい、俺が交換する」 新生児用のベットに寝せると、遥香がオムツとお尻ふきを遼成さんに「どーぞ」と渡した。 「遥琉よりはオムツ交換上手ですよ」 買い物袋を下げた橘さんと心さんが戻ってきた。 「奏音くんの母親のことを調べたら、遼禅さんが昔囲っていた女性が連れていた子どもかもしれない可能性が出てきました」 「それが事実なら縣家で引き取るのが筋だって親父が。でも奏音は橘夫婦になついでいる。決めるのは奏音本人だ」 遼成さんが「すっきりしたか」と陽葵に声を掛けながら、再び抱き上げてくれた。

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