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番外編 みんなが待ち望んだ新しい命の誕生

「遼成さん、箔がついたでしょう?ちょっと難しいか、組長としての貫禄がますますついたって彼が言ってた。だんだん遼禅さんに……」 「心、俺は親父に似るつもりは一切ない。妻を泣かせるなど言語道断。あってはならない」 陽葵を腕の中にそっと抱っこさせてくれた。 「俺は光希一筋だ。龍成とともに一生涯愛し抜くと誓ったんだ」 聞いているこっちが恥ずかしくなるような台詞をさらりと口にする遼成さん。 心さんを連れ、そのまま窓の前に立つと外の景色を眺めた。 「覗き見の趣味はない。安心しろ」 橘さんにはいつも見られているから今さら恥ずかしがっている場合じゃないけど、恥ずかしいものは恥ずかしいからどうしようもない。 くるっと背中を向け陽葵におっぱいをあげた。 「あくまで噂だが、根岸の倅は、自分の命欲しさに梶山組の上田に取引を持ち掛けたらしい。俺も人のことはいえないが、男の焼きもちほど面倒くさいものはないからな。ヤツは根岸が実子の自分より可愛がっている未知や、亜優を深く憎んでいる。未知や亜優を始末すれば、梶山組だけじゃない。黒竜への手土産代わりにもなる。だから、明後日の退院まで福島に留まることにした。心、お前は龍成と光希と明日東京に帰れ」 「未知が襲われるのが分かってるのに帰れっていうの?」 心さんがムッとして遼成さんを睨み付けた。

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