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番外編 悲しみの連鎖

「私の妹に何か用か?」 扉の奥から姿を現したのは遼成さんだった。 「妹だと?はったりも休み休み言え」 馬鹿にするようにゲラゲラと嘲笑った。 「嘘じゃない。お前らが用がある菱沼組の関係者はまだ2階にいる。ほら、どけ。邪魔だ」 遼成さんは目を細め不機嫌そうな表情で、帽子を目深く被る男たちを一喝すると脚立を足で蹴り倒した。 「ウー、鍵を寄越せ」 ウーさんから鍵をもらうと通用口のドアの鍵穴に差し込んだ。 「カタギ相手になにをびびってんだ。女を押さえろ!」 男の1人が胴間声を張り上げると、他の男たちが一斉に僕に向かってきた。 ウーさんとフーさんがあっという間に男たちを取り押さえ、力でねじ伏せた。 「赤ん坊に見せるもんじゃないな。足元に気をつけて、ゆっくりでいいからな」 遼成さんがドアを開けてくれた。 「てめー」 胴間声を張り上げた男が、今度はわめき散らしながら何か黒いものを高く掲げた。 「おぃ、おぃ大丈夫か?手が震えているぞ。ガキのおもちゃじゃねぇんだぞ」 「う、うるさい!」 「撃てるもんなら撃ってみろ。引き金を引いた瞬間、お前の頭が吹っ飛ぶと思うがな」 「なに?」 男がはっとして回りを見ると、銃を構えた縣一家の構成員が男を取り囲んでいた。 「カタギじゃないのか?嘘だろう。聞いてねぇぞ」 男の顔から血の気がみるみる引いていった。

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