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番外編 悲しみの連鎖
チャイムが鳴り、
「はぁ~い、どちらさま?」
踏み台によじ登りインターフォンの画面を見上げる遥香。
『パパだよ』
「あ、パパだ!おかえり!あれ~?」
不思議そうに首を傾げた。
「そのひとだぁ~れ?なんでママのおようふくをきてるの?」
『これには色々と事情があってな』
「パパ、めっだよ!」
『は?ハルちゃん待って、ご…ーー』
頬っぺたをこれでもかと膨らませると、ぶちっと通話を切ってしまった。
「ままたん、たいへん。パパ、しらないおんなのひとつれてきた。ママのおようふくをきてるの。めっして」
キッチンで食器を洗っていた橘さんのところに駆けていった。
「困ったパパですね」
「ママがかわいそう」
真剣な顔で怒る遥香に、橘さんは吹き出しそうになっていた。
「さっちゃん、可愛いね」
那和さんが心望と太惺を交互に抱っこし、インターフォンの画面を見せてあげた。
「パ~パ~!」
大好きなパパを見付けたふたり。キラキラと目を輝かせて、手足をバタつかせた。
「あれ?さっちゃん?」
「うん、そうだよ」
「ハルちゃん、わかんなかった」
「ごめんね、驚かせて」
紗智さんが目深く被っていた帽子を脱ぎ、抱っこしていたお人形を遥香の腕に渡した。
「ありがとうハルちゃん。助かったよ」
頭を撫でてもらい恥ずかしそうにもじもじしながら照れていた。
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