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番外編 悲しみの連鎖
はぁ~。さっきからため息ばかりついている彼。
「どうしたの?悩み事でもあるの?」
「いやな、帰る頃になって光希と心が東京に帰らないって急に言い出したんだ」
「七海さんがいるんだもの。そりゃあ、帰りたくもなくなる。でも、ゆうくんは大丈夫なのかな?ママがいなくて」
「そりゃあ寂しいだろう。でも裕貴や千里の子どもたちがいるからな寂しいなんて言ってる場合じゃないのかもな」
「そっか、それもそうだよね」
自分より小さい子たちのお世話を張り切って頑張っているゆうくんの姿が目に浮かぶようだった。でもなんでため息ばかり?
「いや、それがな……」
彼がまた、ため息をついた。
「姐さん方、なんでみんなしてあんなに強いだ。それだけじゃない橘なみに怖いんだぞ。優しさが足りない。配慮が足りない。男心が分かっていない。橘にみっちり怒られていたら、3人して橘に加勢して……倍返しならぬ4倍返しだ。めちゃくちゃおっかねんだぞ。お陰で肩身が狭くて。俺んちなのち居場所がないんだ」
己の境遇を嘆いていた。
「もしかして紗智さんのことで怒られたの?」
「まぁな。紗智のことは半分かな?それ以外にも色々とな。まさに、ままたんは最強。姐さん方は強しだな」
苦虫を潰したような表情を浮かべた。
「ねぇ遥琉さん、怪我は?してない?」
「あぁ。橘に怒られてへこむくらい元気だ。だから心配するな。紗智も怪我はしていない」
「なら良かった」
胸を撫で下ろした。
「ママ、ごはんだよ」
一太と遥香が呼びに来てくれた。
「陽葵もみんなのところに行くか?頼むからパパの顔を見て、泣かないでくれよ。ままたんにまた怒られる」
彼が頭を支えながら抱き上げてくれた。
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