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番外編 悲しみの連鎖

「人数が人数ですからね、ここにあったテーブルを片づけて、みんなで座れるように長方形の炬燵をリサイクルショップで探してきたんです」 「そうだったんですね」 「しばらく誰も住んでいなかったので子供たちみんなで大掃除したんですよ」 だから家中が綺麗なんだ。埃ひとつ落ちていない。床もぴかぴかだ。 「何も手伝うことが出来なくて、ごめんなさい」 「ハルちゃんが言ってたでしょう。未知さんは陽葵ちゃんのお世話がお仕事だって。さ、ご飯にしましょう」 「ママはこっち」 遥香と一太の間に腰を下ろした。 行儀が悪いとは思ったけど、まだ切ったところが痛くて足を崩して座ったら、一太がそのことに気付いて部屋から丸いクッションを持ってきてくれた。 テーブルの上には橘さんが腕によりをかけて丹精込めて作ってくれたご馳走が所狭しと並んであった。 「昨日こどもの日でしたからね、ママの退院祝いと一緒にお祝いしたいと頼まれまして。たまにはいいかなと奮発してみました」 「ねぇママ、もってて」 「たいくんとここちゃんのもあるよ」 一太と遥香からポチ袋を4つもらった。かなり分厚い。 「これどうしたの?」 「りょうさんとりゅうさんからおこづかいもらったんだ」 「そうだったんだ。ちゃんとありがとうしたの?」 「うん」 奏音くんや晴くんや未来くんだけじゃなく、亜優さんや紗智さんや那和さん、大きい子供たちもお小遣いをもらったみたいだった。 「昔はキャバクラ通いをしていた龍成さんも、すっかり改心したみたいですよ。奏音くんを息子として迎える為に、まずは酒と煙草をなるべく控えて、コツコツ貯金するそうです。遼成さんも同じことを言ってました」

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