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番外編 悲しみの連鎖

どかんと一発、大きな雷が落ちる。鞠家さんが覚悟を決めた時、フーさんがふらっと現れて、鞠家さんの首根っこをむんずと掴むとそのままどこかに連れていってしまった。 「子どもたちの前では怒鳴り散らしませんよ」 「目が怖いんだよ。頼むから笑ってくれ」 「は?」 橘さんが彼をジロリと睨み付けた。 「遥香、ままたんが怖いから助けてくれ」 彼が遥香の後ろに隠れた。といっても頭しか隠れていないからバレバレだけど。 「パパ、ままたんおこらせちゃダメでしょう」 「パパ、別に怒らせて………」 思い当たる節があるのか、急に黙ってしまった。 「折角のご馳走だよ。冷めるまえに食べよう。ほら、紗智さんも七海さんも座って」 那和さんと心さんはというと、ベビーチェアーに座りままたん特製のご飯をスプーンと手掴みでむしゃむしゃと食べる太惺と心望のお世話をしてくれていた。 【姐さん、光希に、面倒を掛けてすまないと伝えてくれ。感謝しているとも】 夕食後、寝室で陽葵におっぱいをあげていたら、根岸さんからメールが送信されてきた。 遥琉さんは太惺と心望に添い寝し、寝かし付けてくれている。 「相変わらず真面目で律儀な男だ」 だからこそ全部悪いのは自分だって責め続けて苦しんでいる。 「ねぇ遥琉さん、悠仁さんはどうなるの?」 「藁谷と同じように逮捕されて今日中には東京に移送される。そういえばサツに張り付いている蜂谷とヤスから連絡がないな」 心配そうに眉を寄せた。

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