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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ
「奏音、寝たか?」
ドアが静かに開いて彼が足音を忍ばせてそぉーと入ってきた。
「遥琉さん、子どもたちは?」
「陽葵は一太が面倒をみてる。さすが、お兄ちゃんだな。抱っこの仕方も、あやしかたも手慣れたものだ。ハルちゃんとたいくんとここちゃんは姐さん方が交代交代で面倒をみてくれているから大丈夫だ。晴くんと未来くんは紗智たちが面倒をみている」
「それなら良かった」
ほっとして胸を撫で下ろすと、彼の腕が伸びてきて、奏音くんを起こさないように静かに抱き上げてくれた。
その時キーホルダーが奏音くんの手から離れ、床に落ちてしまった。
「いいよ、俺が拾う」
光希さんが彼の背後から現れ、キーホルダーを拾ってくれた。
「これって……」
一目見るなり光希さんの表情が変わった。
「光希さん、どうしたの?」
「 遺体と一緒に見付かったキーホルダー、これと同じものかも。サツに見覚えはないか?写真を見せられて、奏音くんママのかも知れないってすぐに答えた。キーホルダーの裏には【love】って彫られてあった」
光希さんが喉を指差して、
「気道、つまり空気の通り道ね。そこの骨に引っ掛かっていたみたいで、被害者が自分だって分かるように咄嗟に飲み込んだのかも知れないって、そんなことを話していた」
「みつき……しゃん……」
奏音くんが口をモゴモゴさせた。
「誰かさんとおんなじ。甘えん坊で、構ってちゃんで、でも、そこが可愛い」
光希さんがキーホルダーをポケットにしまい、両手を伸ばした。
「結構、重いぞ。無理するな」
「奏音くんは、いずれ俺たちの大事な息子になるんだよ。どんなに重くても落とさないよ。何があっても手を離さない。だから、大丈夫」
「そこまで言うんだったら」
彼から奏音くんを渡され、大事そうに抱き抱えた。
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