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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ
「ヤダヤダヤダ‼」
翌朝、奏音くんが駄々を捏ねる声で目が覚めた。陽葵や子どもたちが寝ている事を確認してからそぉーと抜けだし、声がするリビングに向かった。
「ママ」
「一太も起きちゃったんだね」
「うん」
心配そうに見つめる視線の先には、奏音くんと、根岸さんと光希さん。奥のキッチンにはスーツ姿の橘さんと、なにやら熱心にメモを取る紗智さんと七海さんがいた。
「なぁ奏音。さっきから何回も言ってるが、じぃじとままたんは、奏音のママを迎えに行って来るんだ。それに、光希さんの家族にこれから世話になるだろう?だから挨拶をしてこなきゃならないんだ」
「それじゃぁ奏音くん、指切りげんまんしようか」
「ゆびきり…げんまん?」
「うん。男の約束。絶対迎えに来るから待ってて」
光希さんが膝をついてしゃがみこみ小指を立てると、渋々ながらも奏音くんも小指を立てた。
「みつきさん、ぜったいにやくそくだよ。かなた、おりこうさんしてまってるから、むかえにきて。かなた、ずっとずっとまってるから」
「うん、分かった。指切りげんまん、嘘ついたら……」
光希さんが鼻をずずっと啜り、奏音くんをぎゅっと抱き締めた。
「絶対に嘘つかない。絶対に迎えに来るから、待ってて」
奏音くんは光希さんの背中に腕を回すと、ぎゅっと服を掴んだ。
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