1528 / 3625
番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ
「未知もそう思ったか」
「もしかして遥琉さんも?」
「あぁ。悠仁と宮間は通信制の高校を卒業後、定職につかず遊び歩いていたらしい。鳥飼が楮山のパシりをしていた宮間のことをちゃんと覚えていたよ。宮間は楮山に連れていかれたキャバクラで藍子と知り会ったようだ。宮間が先に藍子のアパートに転がり込み、数週間後には悠仁も居座るようになりそのまま三人での生活がはじまったようだ。早い話が縣家と同じ一妻多夫だ。国井からの情報では宮間の方が2ヶ月早く殺され遺棄された可能性がある。鳥飼も急にいなくなった二人のことを心配していた」
鳥飼さんも宮間さんが笹原さんの実の弟だと知ってかなり驚いていた。彼が教えてくれた。
お昼に飛び込んできたのは指定暴力団・昇龍会分裂か、という衝撃的なニュースだった。
ヤクザに下される処分には、「破門」「絶縁」「除籍」この3つがある。
「破門」は要はクビだ。ただ、破門の場合は本人が反省し、組織に戻りたいと望めば、処分が解かれてもとの組織に戻ることが可能だ。
「絶縁」もクビだが、2度とヤクザにに戻ることは出来ない。つまり永久追放だ。
「除籍」は二通りの意味があるが、本来ならば破門と同様の処分を受けるところだが、組織をここまで大きくした貢献度を鑑み情けとして除籍という緩い表現に落ち着かせる。まぁ、短く説明すればこうなる。
ともだちにシェアしよう!