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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ

「昨夜の会合で先々代を除籍することが正式に決まった。最後の最後まで先々代の処分に異義を唱えて、猛反対していた古参の幹部ら数十人が本部を去っていった。楮山組に寝返るか、新しい組を立ち上げるか、それはまだ分からないが、楮山と上田と接触を図ろうとしているのは事実だ」 「鷲崎組、龍一家、縣一家、菱沼組ら直参は全員千里が下した決定に異を唱えるものはいなかった。年々当局の締め付けが強くなって、みな血を吐く思いでシノギを稼いでいるのに、1年あまりで億近い組の金を私的に使い込んでいたのは事実。本来なら絶縁なのに、千里は姑である先々代に情けをかけた。それも分からないなんてな」 柚原さんと鞠家さんが腕を前で組み険しい表情を浮かべた。 千里さんが動画を送信してくれた。 繁華街の裏通りに建つ雑居ビルのエントランスから楮山と談笑しながら出てきた男たちがいた。 「揃いも揃っていい面構えしてやがる」 屈強な体躯をした弾よけに守られながら出てきた恰幅のよい壮年の男は、一見紳士的に見えるがどこか常人とかけ離れた違和感があった。目付きは鋭く、周囲に剣呑な雰囲気を向けていた。 少し遅れて建物からひとりの女性が現れた。胸の谷間を強調した華やかな花刺繍レースのミニスカートを着て、髪は金髪。楮山に媚びるように腕を組みしなだれた。サイドはシアーメッシュになってて肌が透けて丸見えだった。 彼をちらっと見ると、 「俺が目を奪われると思ったか?」 クスリと笑われた。

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