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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ
「ま、普通の男なら目のやり場に困るだろうな。こんだけ美人なら尚更だ。でも、生憎俺たちは、妻しか眼中にない。な、鞠家、柚原」
「優璃の方がこの女より百倍可愛いぞ」
「俺の紗智だって負けないくらい可愛いぞ」
彼の言う通り鞠家さんも柚原さんも全く動じていなかった。
続けてキャミソール姿の……着たことも興味もないから全くわからないけど、とにかく肌も脚も露出し、胸元を強調した格好をした何人かの女性が現れ、恰幅のいい男たちとそれぞれ腕を組むと、横付けにされた三台の車に分乗して乗り込み、車はあっという間に雑踏の中へと走り去った。
彼は動画に写る男たちひとりひとりを凝視し、顔を確認していた。
奥さんにメロメロの愛妻家の鞠家さんと柚原さん。どんな美女が出てこようが表情ひとつ、眉ひとつ変えなかった。
「まぁ、あれだな。初恋の相手が地竜なんだ。しょうがねぇな」
気まずい空気を一掃しようとした彼だったけど、
「オヤジ、亜優が怒ってるぞ。地竜はあくまで憧れのひと、初恋のひとはバーバだって。相変わらずオヤジはモテモテだな」
「鞠家、それ以上は勘弁してくれ」
火に油を注ぐことになり彼の額からは汗が噴き出した。
「亜優の結婚相手は根岸の目に叶う奴じゃねぇとまず無理だな。裕貴と遼成に舎弟で適任者がいないか聞いてみるか。鞠家、柚原、亜優にどんな奴がいいか、具体的に書き出しておくように頼んでくれないか?」
「 分かった」
「任せておけ」
亜優に聞いてもバーバみたいな人としか答えない。聞くだけ無駄なのにな。ふたりとも困ったように苦笑いしていた。
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