1537 / 3578
番外編 恋の予感?
話題はすぐに玲士さんのことで持ちきりになった。
「遼成から甲崎の弟だと紹介されたときは驚いた。挨拶もきちんとするしメモ帳を片手に遼成の後ろをくっついて歩いていた。橘と根岸が帰ってきたらどんな男か聞いてみよう」
パンケーキを頬張る彼の膝の上に太惺と心望が競うようによじ登っていった。
「ふたりにはまだ早いかな?ふたりのおやつはまだか」
彼がキッチンに戻った柚原さんに慌てて声を掛けた。
「ままたんみたく上手に作れたか不安だけどバナナミルクプリン出来たよ」
柚原さんがトレイに乗せて持ってきてくれた。
「ゆずはらさんのバナナミルクプリン?いちた、たべてみたい!」
「ハルちゃんも!」
「かなたも!」
3人が同時に手を上げた。
「みんなの分もあるけど味の保証はしないぞ」
「ゆずはらさんがつくってくれるごはんおいしいよ。ななちゃんとさっちゃんがつくってくれるごはんも」
「ハルちゃんもだよ。みんなのごはんだいすき」
「かなたも」
「なかなか嬉しいこと言ってくれるじゃないか。今持ってくるから待ってろ」
柚原さんが太惺と心望の前にプリンを置くと、わぁ~~‼と歓声を上げ両手をパチパチと叩いた。あまりの可愛らしさに彼の顔も柚原さんの顔も緩みっぱなしになった。信孝さんの目尻も下がりっぱなしになった。
ともだちにシェアしよう!