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番外編 恋の予感?

バナナミルクプリンを美味しそうに頬張る子どもたち。一太と奏音くんはお代わりして2個目。晴くんと未来くんも今日は恥ずかしがらずにちゃんと大きい声でお代わり下さいって言う事が出来た。二人とも偉いね。 そんな和気あいあいとした家族団欒に水を差したのは、やはり西岡たちだった。 「真っ昼間に通りの真ん中でドンパチをやるなんぞ、正気の沙汰じゃねぇ」 福島に帰るため駅に向かった橘さんと根岸さんと伊澤さんを待ち構えていたのは西岡たちだった。 一般人を巻き込むかも知れないのに、なんら躊躇することなく銃を構えると、引き金を引いて銃口を橘さんたちに向けた。 ーたかが女の分際で調子に乗りやがって。あんなチャラチャラした女が姐になったから、昇龍会は駄目になったんだ。先々代も死なずに済んだ。何もかも全部お前らのせいだ!ー 大声で怒鳴り散らした。とんだ言いがかりだ。 「威嚇するため西岡は一発発射した。その弾は近くのオフィスビルの窓ガラスを貫通した。たまたま空き物件で怪我人はいない」 「良かった」 ほっとし胸を撫で下ろした。 「橘らの前に車が急停止して慌てる様子もなく車から下りてきたのは遼禅さんだった。誰だ千里は組長の器じゃねぇって寝言を言ってる野郎は、そう言って西岡らを牽制した。千里が組長になったからこそ今の昇龍会がある、それを忘れるなってな」 「たまにはいいこと言うじゃないかうちの親父。狸親父はそろそろ返上かな」 「孫を迎えるんだ。新しい家族が増えるんだ。少しは真っ当な人間にならねぇと。それが最近の遼禅さんの口癖らしいぞ」 信孝さんがそれを聞くなりなぜか急に笑いはじめた。

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