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番外編 三大色男無頼派伝説

「悪い。親父の武勇伝をふと思い出したんだ」 「昇龍会が誇る三大色男無頼派伝説だろ?たく、困ったもんだな。もっと違うので伝説を作ってほしかったな。茨木さんみたく義理人情に生きた伝説の昭和のヤクザとかさぁ」 「その通りだ」 信孝さんと目を合わせるなり、やれやれとため息をついた。 「バーバ?」 紗智さんと那和さんが不思議そうに首を傾げた。 「オトナの話しだ。聞きたいか?」 ふたりは迷うことなく頷いた。 「バーバの親父と信孝の親父と先々代は、女と酒と博打と喧嘩に明け暮れていた。 女に関してはイロの数をお互い競い合い、何人も囲っていたんだ。バーバと信孝の母親もイロだったからな散々泣かせられ言葉では言い尽くせないくらい苦労させられた。上総さんは婿と孫に赤恥をかかせたくないと女と博打をキッパリ止めて、酒も嗜む程度にして念願だった家族水入らず気ままな隠居生活を送っている。俺の親父と亡くなった先々代は生涯現役を宣言していたから、今もアウトローなその生き方を止めてない。俺の親父は遼成と同世代の女と半同棲中だ。いい加減年を考えろっていうんだ。孫を迎えるなら、新しい家族を迎えるなら、孫となる奏音の生い立ちや今までの経緯を鑑み、少しは自重してくれないと、奏音には刺激が強すぎる」 一太と遥香と一緒に「食べたあとはお片付け~~」と口ずさみながらせっせと食器とコップをキッチンに運ぶ奏音くんをちらっと見る信孝さん。

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