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番外編 かなたのまま

「あれ、今の七海で間違いないよな?」 信孝さんがぽか~として面食らっていた。 「まるっきし別人だな」 「子供たちの世話を率先してやってくれている。陽葵の沐浴担当とぐすってどうしようもないときのピンチヒッターだ。はじめは危なっかしくて見ていられなかったが、あっという間にコツを掴んで、手慣れたものだ。寝かし付けも上手になった」 「へぇ~~そうなんだ。変われば変わるものだな」 感心していた。 「ままたんとじぃじが帰ってきたぞ」 鞠家さんが顔を出した。 「たいくん、ここちゃん、ままたんが帰って来たよ。お迎えに行こうか」 「まま、たー」 ガラガラで遊んでいたふたりの動きがピタリと止まった。 「そうふたりが大好きなままたんだよ」 紗智さんと那和さんがふたりを抱き上げ、玄関へと向かった。 「奏音も行ってこい」 迎えに行きたくてもはじめの一歩をなかなか踏み出せずにいた奏音くんに彼が優しく声を掛けた。 「じぃじとママ、奏音が迎えに来てくれたら喜ぶぞ」 「ほんと?」 「あぁ」 「じゃあ行ってくる」 奏音くんが元気に駆け出した。 彼が奏音くんのママを供養するためリビングの隅に祭壇を準備してくれた。

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