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番外編 死神

「未知に隠し事はしない。そう約束したから正直に言うが、被害にあった子どもたちが身を寄せている養護施設が黒竜に急襲された。詳しい情報が全く入って来ないからなんともいえないが、多数の死傷者が出てるみたいだ。何の罪もない子どもを標的にした黒竜と、それを知っていて隠そうとした当局に国際社会から非難が殺到している」 「そんな……地竜さんは?無事なの?」 信じられないことが次から次に立て続けに起こりパニックを起こしそうになった。 「ひまちゃん、ななちゃんっておいで。ママとパパを休ませてあげよう」 泣いてばかりいる陽葵を彼が抱っこしようとしたら、七海さんがぬっと現れて。 「遥琉も休んだ方がいい。この2日間ほとんど寝ていないだろう。もう若くないんだ。少しは身体を大事にしないと。遥琉に何かあったら未知や子どもたちが路頭に迷うことになる」 「いや、そういう訳にはいかない」 「俺は居候の身だ。このくらいさせてほしい」 七海さんは引き下がらなかった。これには彼も根負けしたみたいで、 「そこまで言うんだったら……すまんな七海」 軽く頭を下げた。 「あのね遥琉さん」 布団に一緒に横になるなり彼の服をぎゅっと握り締めた。 「地竜が不死身たる由縁は死神という名前にある。だから大丈夫だ。またいつものようにひょっこりと現れるよ」 「そうだよね。お腹空いた、膝枕したいって」 「ヤツも図体はデカイ癖に中身は子どもで甘えん坊だからな」 「うん」 髪を撫でてくれる彼の手は温かく、そして心地よくて。あっという間に眠りへと落ちていった。

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