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番外編 死神

「ありがとう。ほら、めぐみ、優輝、幸。菱沼組の組長さんと姐さんと鷲崎組の姐さん、それに幹部の皆さんにちゃんとご挨拶して。めぐみ、優輝猫背になってる。背筋をぴんとちゃんと伸ばすの。幸、指はしゃぶらない」 柚さんに注意され、びくっと背を震わせる三人。「めぐみです」「ゆうきです」「みゆきちゃんです」緊張し顔を真っ赤にしながらも自己紹介をしてくれた。 ただいま。元気いっぱい一太と奏音くんが小学校から帰ってきた。 「パパおきゃくさんなの?はじめましてうづきいちたです」 「はじめましてねぎしかなたです」 誰に教わった訳でもないのにびしっと背筋を伸ばし大きな声で挨拶する一太。奏音くんも一太の真似をして大きな声で挨拶をした。 「はじめまして縣柚です。晴くんと未来くんのパパの妹で龍成の姉です。君が奏音くんね」 柚さんの視線が奏音くんへと向けられた。 その場にしゃがみこむとじぃーと顔を見つめた。 「ゆずさん?」 奏音くんが不思議そうに首を傾げた。 「ううん、なんでもない」 笑顔で首を横に振る柚さん。その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 はじめこそ緊張してお互いに遠慮してよそよそしかった子どもたちだったけど、あっという間に意気投合して仲良く遊びはじめた。夕方にはままたんとぱぱたんと買い物に出掛けていた遥香が帰ってきて、幼稚園のホームクラスから帰ってきた晴くんと未来くんも合流し盆と正月がいっぺんにきたみたいにそれはもう賑やかだった。

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