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番外編 死神

橘さんが市の教育委員会に掛け合ってくれて、週明けの月曜日、24日からめぐみちゃんと優輝くんも一太と奏音くんが通学しているK小学校へ転校することが決まった。 「流石ままたんだな」 「それをいうなら鬼頭さんにです。私は何もしていません。公務員だった光希さんのお父さんのお陰で転入も転校もスムーズに手続きが済んだだけです。それよりも、問題は……」 そこで言葉を止めるとちらっとテレビの画面に目を向けた。 「当局の言論統制が厳しくて死神や黒竜に急襲された孤児院の情報が全く入ってきません。地竜さんの生死も依然として不明のままです。こんな状況下で、彩さんの初公判は明日です。何事もなく無事に終わればいいんですが……」 「噂じゃあ、黒竜の過激派が数名密入国して、秘密裏にテロを計画しているって話しだ。芫とダオレンがこのまま鳴りを潜めて大人しくしている訳がない」 「そうですね」 大人たちの心配をよそに子どもたちは元気いっぱいだ。柚さんはめぐみちゃんと優輝くんを連れてK小学校に出掛けていて、幸ちゃんだけ彼に預けた。 「警備を強化しよう。柚原、柚原はいるか」 彼が大きな声で呼ぶと、 「そんな大きな声を出したら子どもたちが怖がる。とくに幸は大きな声が苦手らしいから」 お玉を手に握り締め、エプロン姿の柚原さんが姿を現した。

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