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番外編 埋もれ木
太惺が彼の足を掴みよいしょと立っちすると、自分の服を引っ張った。
「お、なんだたいくんもパパと同じで裸になりたいか。よ~しバンザイだ」
「遥琉さん、変なこと教えちゃ駄目。橘さんの雷が落ちるよ。ここちゃんは女の子なんだからパパの真似をしちゃ駄目だよ」
親子して裸にならなくていいから。
ママ、目の置き場に困っちゃうから。
もはやため息しか出ない。
陽葵がねんねしてて良かった。
布団から起き上がり心望を抱っこしようとしたら、キャキャと歓声を上げてはいはいで逃げ出した。
「なんだママと追いかけっこがしたいのか?ごめんなここちゃん、ママまだ本調子じゃないから遊べないんだよ」
スボンを履き白いシャツを素肌の上から羽織るとドアを開けて、
「ここちゃんとたいくんと追いかけっこしたい人!」
と声を掛けると、「え~~ちょっと待って」「窓閉めないと」「アイロンも危ない」仲良く洗濯物を片付けていた七海さんと紗智さんと那和さんが手を止め、わたわたしながら心望と太惺を追い掛けてくれた。
「兄弟みんな仲がいいからな。おっきいお兄ちゃんたちにうんと遊んでもらったらいいんだよ。その間、未知は少しでも体を休めろ」
顔を覗き込まれ、にっこりと笑いながら頭を撫で撫でされた。子供じゃないのにな。でも本音をいうと嬉しかった。
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