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番外編 埋もれ木

よいしょっ、よいしょっ。元気いっぱいの掛け声と共にちゃぶ台を上に上げると、 「あゆさんなかせたら、パパよりこわいままたんのかみなりさんおちるよ!」 「ハルちゃんゆるさないよ!」 「○✕△✕○✕!」 一太と遥香、そして紗智さんと那和さんが中国語で玲士さんに何かを話し掛け、せーので勢いよくひっくり返した。 「たいくん、ここちゃん、じょうず」 お兄ちゃんとお姉ちゃんに褒められぱちぱちと手を叩きながらキャキャと歓声を上げた。 身体がふらふらしてて危なっかしくて見ていられなくて。ふたりとも転ぶよ。腕を差しだし身体を支えようとしたら、バランスを崩し後ろへ一歩二歩よろめいてそのままどんと勢いよく尻餅をついた。 一体なにが起こったの?ふたりはきょとんとして目をぱちぱちしていた。 泣くこともなく、にこにこと笑いながら両手をまたぱちぱちと叩き始めた。 「さっちゃんとななちゃん、何を言ったんだろうね。ママも分からないな」 ごめんね一太。遥香。エヘヘと笑って誤魔化した。 「なんだ、お前たちもやりたいのか?おいで。玲士、悪いがもうちょっと付き合ってやってくれ」 彼が手招きすると、興味津々ドアの陰からそぉーと覗き込んでいた奏音くんと晴くん未来くん幸ちゃんが部屋に入ってきた。 「俺たち大人に遠慮して普段は言えないことが山のようにあるはずだ。我慢しないで言っていいぞ。ただし、怪我しない程度にな」

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