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番外編埋もれ木
「玲士さん、縣一家の皆さんが事務所の前であなたを待ってますよ」
橘さんが玲士さんを呼びに来た。
「亜優とまだひと言も言葉を交わしていない」
「一回しか言わないからちゃんと覚えて。僕と付き合ってくれませんか?は、你愿意跟我交往吗(ニーユエンイーガンウォジャオワンマ)?だよ玲士」
「那和さんありがとう。えっと、ニーユエン…イーガン…ウォジャオ…マンマじゃないワンマだ。亜優、じゃない。亜優さんだ。私と結婚を前提に付き合ってくれませんか?宜しくお願いします」
素早く瞬きし、何度も唇を噛みつっかえながらも言葉を紡ぐと深々と頭を下げた。
亜優さんは恥ずかしさで真っ赤になりながらも右手をそぉーと差し出した。
「私はどうしたらいいでしょうか?」
玲士さんが那和さんと紗智さんに助けを求めた。
「日本と違い、中国では付き合うまで手を握ったりハグすることは許さない女性が多いの。男もだけど。だから手を握る、ハグするイコール付き合っていいっという意味になる。ただし、友達からだよ玲士。亜優は、僕と紗智と違いぴゅあぴゅあの純真無垢な童貞なの。恋のこの意味も知らないの。だから、好きなのは分かるけど、いきなり押し倒すの厳禁。分かった?」
「俺たちと違って体も弱い。あるべき必要な臓器がないから、激しい運動は体の負担になる。大袈裟かも知れないけど命に関わる」
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