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番外編 決して結ばれない恋だと知りながらも、それでも一途に彼を愛した

「だからといって不倫していい理由にはならない。俺も人様のことを言える立場じゃないが、一央を選ぶか、光希を選ぶか、男ならはっきりしろ。オヤジが遼成に渇を入れたんだ。それでやっと目が覚めたんだろう。たいくん、ここちゃん、オムツを交換して、おやつにしようか?」 スーツの上にエプロンを身に付けた柚原さんが姿を見せた。 『相変わらず似合うなその格好』 「ぱぱたんだからな。当たり前だろう」 ぱぱ、たぁ~~。 ぱ~ぱ~たぁ~。 太惺と心望が小さなお手手を懸命に伸ばし、競うように抱っこをせがんだ。 「そういえば奏音になんて呼ばせる気だ?」 『そりゃあ、パパに決まってるだろう。光希はママで、兄貴はオヤジだ』 「そのまんまだな」 柚原さんがクスクス笑いながら、太惺を右腕で、心望を左腕でそれぞれ抱き上げてくれた。 『柚に一央との離婚を勧めたのは龍でも、遼でも、信孝でもない。めぐみと優輝だ。母さん悪くないのに父さんに怒られて泣いてばかりいる。母さん今日もお酒を呑んで暴れてる。父さん家に帰ってこない。昼夜問わず何度も龍のスマホにふたりからの電話が掛かってきた。幸の怯えた泣き声に、龍が駆け付けたこともある。七海、めぐみと優輝を怒らないで欲しい。ふたりなりに考えて出した結論だから』 光希さんの言葉に胸が締め付けられそうになった。

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