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番外編 決して結ばれない恋だと知りながらも、それでも彼を一途に愛した
「ハルちゃんママ、おみやげ。あかちゃんにあげて」
にっこりと満面の笑みを浮かべ、抱き抱えていたくまのぬいぐるみを差し出された。
「え?いいの?」
「うん」
恥ずかしそうにもじもじする姿がなんとも可愛らしくて。
陽葵の代わりに受け取ると、
「ん?」
何かに気付いた幸ちゃんが後ろを振り返った。
「龍成さんと光希さん、子供の前ではイチャイチャ禁止だってば」
ぬいぐるみを下に置いて、幸ちゃんの目を慌てて両手で覆った。
「みちさん、みつきさんママと、りょうお兄ちゃんの声、聞こえたんだけど……」
奏音くんまでが部屋に入ってきてしまった。紗智さんと那和さんがパソコンの前に立ち奏音くんの目をなんとか逸らしやり過ごそうとしたけれど、
「あ、やっぱりみつきさんママだ!りょうお兄ちゃんもいる!」
大好きな光希さんを奏音くんが見逃すわけなどなく。
パソコンの前に駆け寄ると、画面に釘つけになった。
「さっと服を直せ。真っ昼間から何をやってるんだお前らは」
『え?奏音くん?幸ちゃん?』
彼に言われてはじめて奏音くんと幸ちゃんにじぃーっと見られていることに気づいたふたり。慌てて体を離した。
「奏音くんの新しいパパとママは、年がら年中ラブラブだね」
「一太くんパパとみちさんもだよ」
「バーバとマーも負けていないもんね」
紗智さんと那和さんと一緒に画面に映るふたりに笑顔で手を振った。
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