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番外編 決して結ばれない恋だと知りながらも、それでも彼を一途に愛した

橘さんが丹精を込めて作ってくれた心尽くしのご馳走がテーブルに並んだ。 一緒に暮らすようになり、苦手だったレタスや人参が少しずつだけど食べれるようになった亜優さん。はじめて食べたお刺身に生臭くない。美味しい!と歓声をあげ、子どもたちが大好きなオムライスやハンバーグやカレーもはじめて食べたみたいで美味しいを連呼していた。 「てまきまきまきだよ」 「ごちそういっぱいだよ」 「あゆさん、はやく、はやく!」 一太と遥香と奏音くんが亜優さんを菱沼金融まで迎えに行き連れてきてくれた。 「マー」 亜優さんの目が点になった。 「謝 謝《シェ シェ》ありがとう亜優さん」 亜優さんの顔が真っ赤になった。 「たいしたことしてないのに、だって。そんなことないよ亜優」 「そうだよ。楮山組に情報を盗まれずに済んだんだもの。お手柄だよ」 紗智さんと那和さんにも褒められ、ますます頬を染めた。 「千里や心や光希のところは大丈夫なの?」 「亜優さんから聞いたアドバイスをそれぞれお伝えしました。今連絡がないということは大丈夫だと思いますよ。たいくん、ここちゃんお待たせしました」 お腹空いた!と言わんばかりにテーブルをバンバンと両手で叩く太惺と心望のご飯を橘さんが運んできてくれた。 美味しそうだね。紗智さんと那和さんが声を掛けると、両手をバンザイしたちまちニコニコの笑顔になった。

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