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番外編 決して結ばれない恋だと知りながらも、それでも彼を一途に愛した

「赤ちゃんは何でも口に入れてしまうだよ。昨日までは手が届かないところも、今日は手が届くようになっているかも知れないから、みんなでたいくんとここちゃんが誤飲しないように注意するしかないだ。たいくん、ここちゃん、お兄ちゃんたちはお勉強中だから、お姉ちゃんたちに遊んでもらうね」 七海さんがふたりに声を掛けると、唇をぶーぶーと鳴らしながら、テーブルをバンバンと両手で叩いた。 「ママっておいで」 両手を広げると、テーブルの下にふたりして潜り込み隠れてしまった。 「ななみさん、かなたくん、めぐみちゃん、ゆうきくん、いっかいおやすみにして、かくれんぼうしよう」 一太がみんなに声を掛け、手分けしてテーブルの上を片付けはじめた。 「ハイハイでよーいドンもいいかも。なにして遊ぼうか?」 めぐみちゃんがニコニコ笑いながらテーブルの下を覗き込んだ。 「それでかくれてるの?ふたりともかわいい」 一太の足にしがみつくふたりと目が合うなり、めぐみちゃんが歓声をあげた。

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