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番外編 決して結ばれない恋だと知りながらも、それでも一途に彼を愛した
「相変わらず賑やかだな」
彼が信孝さんと一緒に帰ってきたのはそれから30分後のことだった。
「晴、未来、陽葵ちゃんがねんねしているんだ。静かにするんだ」
「信孝、賑やかなのは元気な証拠だ。陽葵はどんなにまわりが五月蝿くても寝たいときは寝ている。だから注意する必要はない。子供たちが静かなときは具合が悪いときだけだ。遊んでもいいが怪我をしないような。一太お兄ちゃんや奏音お兄ちゃんの言うことをよく聞いて仲良くして遊ぶんだぞ」
腰を屈むと笑顔でふたりの頭を撫でた。
「うん‼」
「うん、じゃない。はい、だって何度言ったら分かるんだ。オヤジすみません」
「そんなことで目くじらを立てるような俺じゃない。だからいちいち謝る必要はない」
そこで言葉を止めるとちらっとドアの方に視線を向けた。
「未知に謝りたいから連れていってくれと頼んだのはお前だろう。それならこそこそ隠れていないで出てきたらどうなんだ?」
彼に促され、やや時間を置いて姿を表したのは、
「柚……さん、なんで?」
驚きのあまり声が上擦った。
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