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番外編 決して結ばない恋だと知りながらも、それでも彼を一途に愛した

「未知さんも私も信じていたひとに裏切られ、レイプされ、未婚でそのひとの子どもを産んだ。そして、子連れで結婚した。境遇が全く同じ。一央も遥琉も、自分の子どもとして可愛がってくれる。これも同じ。唯一違うのは……」 「柚さん、比べない」 「そう」 紗智さんと那和さんが大きく頷いた。 「マーはマー、柚さんは柚さん。みんな違う」 「違ってて当たり前だっけ?当然だっけ?。ま、いいか。いちいち比べない」 「こんな可愛い天使が3人もいるんだよ。俺なんか男だからどんなに欲しくても彼の赤ちゃん産むことが出来ない。柚さんは幸せ者だよ」 はっとして口元を両手で覆う柚さん。 「ごめんなさい。えっと……」 「紗智です。若頭の鞠家の妻の紗智です」 「卯月那和です。バーバの兄の真沙哉の妻です」 「どちらが紗智さんで那和さんか、こんがらがってしまって、ごめんなさいね。ウーさんと亜優さんは兄から紹介してもらったから分かるわ」 柚さんは謝ってばかりいた。 刺々しさはなく、まるで別人のようだった。

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