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番外編 決して結ばれない恋だと知りながらも、それでも彼を一途に愛した
「橘さんに返してくるから待ってて」
立ち上がろうとしたら、むすっと仏頂面されてしまった。
「あとで俺が返しておく。そんなに一緒に寝るの嫌か?」
「ううん」
慌てて首を横に振った。
「それなら良かった」
スマホを置いて彼の隣に横になると、嬉しそうににっこりと微笑みながら腕枕をしてくれた。もう片方の手が腰に回ってきて、温かな広い胸へと抱き寄せられた。
「橘と七海が未知がちゃんと飯を食ってるか心配していたぞ。また痩せたんじゃないか?柚のことは信孝に任せておけばいいんだ」
「うん、でもね」
「首を突っ込みたくなるのは分かる。分かるけど、それでもし無茶をしてさらに具合が悪くなったら元もこうもないだろう?」
顔を上げ頷くとおでこにちゅっと軽く口付けをされた。
唇がほんの少し触れただけなのに、全身に電気が走る。
耳の奥で響く心臓の音。恥ずかしいくらいドキドキしてる。
「は、遥琉さん」
思わず声を上げたら、
「今さら恥ずかしがってどうするんだ」
くすっと笑うと、今度は熱く火照っている頬にそっと口付けられた。
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