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番外編 決して結ばれない恋だと知りながら、それでも一途に彼を愛した
さっと手を取られ、彼の胸に押し当てられた。
「未知だけじゃないぞ。俺だってドキドキしている」
そう言われて息を詰めると、確かに掌に鼓動が伝わってくる。
僕のものほど大きくはないけれど、少し早いような気もする。
見つめ直すと、
「なんかこの部屋、暑くないか?」
むくっと体を起こすと、いきなりシャツを脱ぎはじめたから慌てた。
「相変わらず恥ずかしがりやなんだな。裸くらいお互い見慣れているだろう。下は脱がないから安心しろ」
愉しげに笑いながら、またごろんと横になった。
無駄な贅肉がひとつもない鍛え上げられた筋肉隆々の逞しい体に抱き締められ、耳まで真っ赤になった。心臓がいまにも破裂しそうだ。
「未知にずっと、ずっと好きでいてもらいたいし、ドキドキしてもらいたいから」
恥ずかしくなるような台詞をさらりと言われ、ますます顔が真っ赤になった。
「ゆでたこみたいで可愛い」
ふっと目を細められ髪を撫で上げられた。
「遥琉さんが変なことを言うからでしょう」
「好きだって、面と向かって言わなきゃ伝わらないだろう」
啄むように何度か軽く口付けられ、やがて深く口付けられると、僕は思わず彼をきつく抱き締めていた。
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