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番外編 かなたのおうちは
「昨日の今日だ。学校に行きたくないよな。その気持ち分かるよ」
ランドセルを背負ったまま玄関に座り、そのまま動かなくなってしまった奏音くん。彼が隣に腰を下ろし大きな手で頭をぐりぐりと撫でた。
一太は鞠家さんたちが先に小学校へと送っていってくれた。
「行きたくねぇなら、無理して行く必要はない。じぃじの会社で亜優と一緒に店番でもしたらいい」
「一太くんパパ」
「ん?何だ?」
「みつきさんママ、なんでかなたとお話ししてくれないの?かなたのこと、きらいになっちゃったの?」
「な訳あるか。実はな奏音をびっくりさせるのに内緒にしていたんだが、今、ぱぱたんが光希を迎えに行ってる。午後にはここに来る」
「え?ほんとに?」
「嘘ついてどうすんだ」
「やった‼」
奏音くんは飛び上がるくらい大喜びだった。さっきまでしょんぼりしていたとは思えないくらいニコニコの笑顔になった。
「かなた、こわいけど学校行く。みつきさんママ、ほめてくれてるかな?」
「あぁ、勿論。でもだからといって無理する必要はないんだぞ」
「めぐみちゃんとゆうきくんがいるから大丈夫。それに今日の給食ね、味噌タンメンだから」
「そうか、奏音、ラーメン大好きだもんな。よし分かった」
一抹の不安を抱きつつも、遅刻するからと奏音くんを小学校に急いで送っていった。
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