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番外編 かなたのおうちは

「本当は奏音のこと好きなんだよね。仲良くしたいんだよね。イジメっ子たちにそう話し掛けた」 子供たちがすっかり寝静まり、飲み物を片手に女子会?トークがはじまった。 「好きな子の靴を隠したことないの?」 みんな一様に首を横に振った。 「俺なんかしっちゅう龍に靴を隠されていたよ。縣家のあの広い家をあちこち探す俺を、龍はすごく楽しそうに見てた。だって靴がなけば帰れないから。靴を返すから、その代わりキスをさせてくれ、抱かせてくれって何度言われたか。嫌だって拒否しても、結局拉致られて、ベットに連れ込まれるんだ」 光希さんの言葉に紗智さんと那和さんんが飲み物を吹き出しそうになった。 「遼がいてもいなくても龍は関係ない。朝だろうが、昼だろうが、夜だろうが、したいときにする」 「でもこれからはそうはいきませんよ」 橘さんが水を差した。 「分かってる」 光希さんが飲み物を一口、口に運んだ。 「イジメっ子たちには、奏音のおうちは東京にある。来年には引っ越すから、それまで息子と仲良くしてね、そう優しく声を掛けた。決して脅してないよ」

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